39 みんなと行こう


コックピットのパラシュートはぎゅうぎゅう詰めだった。スタンドに目覚め、そのスパイスガールの能力で引きちぎり墜落させられた機体と、ジッパーで切り取った腕にくっついて落下したノトーリアスBIGの残滓もすべて片が付き、今はふわふわと空中を緩やかに落下している最中だ。
「ものすごい密着……」
「何が悲しくてホルマジオの胸板に押し付けられなきゃなんねーんだよ……」
なにせ狭いコックピットに13人だ。誰か亀に入れよ。小型とはいえ飛行機だから景色を楽しみたいぜって外に出まくってた全員。すっかりカルネのことを忘れて、止めなかった私も悪かったけどさあ。
悲痛なメローネの呟きに、黙ってろ変態、とフーゴがきつい声で応えた。
「こっちはあんたんとこのリーダーに抱き着く形になってんだよ!ベルトが冷たいんだよ!!」
「それはオメーの服が密着に適してねえデザインだからじゃねえのか、フーゴ。ソルベとジェラートに背中踏まれてる俺の気持ちも考えろよ」
「悪ィなミスタ」
「ちょうどそこにあったもんだから」
まったく悪びれない声でふたりが謝る。ミスタはパラシュートの下に掴まって突っ張っている状態だ。スティッキィフィンガーズに支えられていなかったら、かなりしんどかっただろう。
何が悲しくてオッサンにしがみつかなきゃなんないんだとフーゴがぼやいていたので私はたしなめた。オッサンじゃなくてリゾットおにいさんとお呼びよ。もっと嫌だよ!全力で拒否された。
「これさあ、……海に落ちてどうなんの?泳ぐの?」
「機体は海に墜落したが、この調子だと、まあかなり島の近くまで行けるだろう。海に落ちても、全員泳げる……よな?」
ブチャラティの質問に、ほぼ全員が口々に同意した。
私も泳げないことはないけど、あんまり遠かったら体力的に無理だなあ。この人たち、たぶん全員超人的な身体能力でガンガン波をかき分けてクロールとかするんだろうな。ブチャラティとか想像に易い。平泳ぎするリゾットを想像して腹筋が死んだ。ごめん、馬鹿にしてるんじゃないんだ。ただ私の平泳ぎのイメージがルパンだからちょっとキャラに合わないだけなんだ。
「ポルポ、オメー泳げねえのか?」
「うーん……1qが限界な気がする」
「しゃーねーな。もしそうなったらリトルフィートで小さくして連れてくかァ」
「それ私溺死しそう」
そうならないように祈ろう。風よ今だけ私の願いを聞いてくれ。
私の念力が通じたのか、コックピットのパラシュートはサルディニア島から30mほど離れたところに着水した。

なぜかそこにいる暗チ4人。私ポカーン。ブチャラティたち警戒。ホルマジオとメローネ普通に挨拶。ソルジェラが私の顔を見て爆笑。リゾット平然。
どういうこと?なんでみんなここにいるの?
「観光だよ」
「サルディニアにゃあバカンスにぴったりの海岸があるって聞いたモンでよお」
「引っ越しも終わったし、羽伸ばしに来たってわけだ」
「ポルポ、驚いてるね!」
驚いてるよそら。観光とか薄っぺらい嘘をつくんじゃないよ。
お前の仕業か、とリゾットを見ると、行先を教えたら勝手についてきたんだ、と言われた。いやいやいや、なんでそもそも行先を伝えてるんだ。私は考えるのをやめた。
「あ、お前がアバッキオか?マジで変な髪形してんのな。お前、スタンド発動すんのちょっと待てよ」
「ああ?なんでテメエに指図されなきゃならねえんだ?ヘンって言うならテメエもだろうが、奇ッ妙な服着やがって」
「うるせえ俺もこれで外出るのちょっと抵抗あるよ!」
「じゃあ着替えろアホか!!」
さっそく仲良くなってるし。コミュ力なんなの。MAXなの。
ごそごそとポケットから手鏡を取り出したイルーゾォは、得意げにすることもなくそれを掲げた。きらりと太陽に鏡面が反射する。
「リゾットから話は聞いてんだけどさ、ボスの手がかりを……えー、なんだっけ、リトライ?」
「リプレイだバカか。なんでトライしなきゃなんねえんだ」
「いちいち罵ってくんなよ、俺のが年上だぞ。……そのリプレイを外で無防備にやってんの、危ねえだろ。俺のスタンドは鏡の中の世界に入れるって能力を持ってるから、こんなかで安全に事を進めようぜ」
私はイルーゾォに拍手を送った。凄いよ、それ凄すぎるよ。超安全。安全すぎて逆に引く。まさかそんなスタンドがあるのかと驚いているブチャラティの肩に、メローネが馴れ馴れしく腕を乗っけて本体はあんなんだけどスタンドは便利だぜと囁いた。
聞こえてるぞメローネお前だけ許可しねえぞ。怒るなよホルマジオと同じカテゴリに入れただけだろ。それが嫌なんだよ変態!オメーそれ俺にシツレーじゃねえの?
仲が良いようで何よりだ。
「ポルポ、彼らもあなたの部下なんですか?」
「そうなんだよ、ジョルノ。一応全員ブチャラティより年上なんだけど」
「見えませんね」
ざっくり切ったね。私も同意見だよ。
純粋な疑問として、あんたのズボンのセンスどうなってんだ、とギアッチョに訊ねたミスタは勇者か。予想通りギアッチョにブチ切れられて後頭部押さえて思いっきり膝を入れられている。ふざけんなテメエいきなりなんなんだと鼻血をぬぐいながら言ったミスタは正しい。まさかこんなところであのふたりがいがみ合うことになるとは。
すわ乱闘か、と構えた私を見て、プロシュートが眼鏡と帽子の間に割って入った。仲裁をしてくれるのかなと期待したら、テメーらどっちもセンスねえよと火に油を注いでくれた。あんたに言われたくねえよとふたりの言葉が一致した。ある意味仲裁。
さすがに6プラス9で、男が15人もいると、気の合う人たちも現れるし、喧嘩を始める人も現れるな。私はジョルノと同時にため息を落として、上司らしく呼びかけた。
「黙らなかったやつからパンツ剥くぞー!」
しん、と一瞬で静まり返った。今のは笑うところだったんだけどね。ギアッチョなんかはゴクリとつばを飲み込んでいる。マジですると思ったのだろうか。私って一体何?皆さんが静かになるまで1秒もかかりませんでした。脳内で校長が動揺した。
「ひとりひとり鏡に入ろう、ね?ね?いいかな?」
「普段だったら喜んで手を挙げるんだけどさ、ポルポ、俺今日勝負パンツじゃないんだよなー」
「さっきのは冗談だよ!どうでもいいよあんたのパンツなんて!お互い長い付き合いだよね!?判ってくれよ!剥かないよ!」
どんだけ信用がないんだ私は。し、知ってたよ、と言ったイルーゾォ、声が震えてた。
そしてまさかのドッピオ戦スルー。

結論から言おう。もうこのフレーズも慣れたものだ。
ボスの姿を全員が見た。若い時の姿だったけど、その瞬間、私とトリッシュ含め、17人の心情が一致した。言葉まで同じだった。(一部あまりの衝撃に沈黙していた人もいたけれど)
「何だこの髪……」
どピンクカビヘアー、ありがとうございます。
これがあたしの父なの、とトリッシュが顔を覆った。そうだよこれがボスだよ。
今の君とは血のつながりがあるだけの他人だ、気にすることはない、と真面目なブチャラティがトリッシュの肩を支えて慰めていた。ブチャトリフラグいただきました。
一時停止したボスの姿からちゃきちゃきと指紋を採取し、ペッシが観光用に持っていたカメラで顔の写真を撮り、プロシュートが遠慮なくボスの服をめくりあげ、身体に特徴がねえかと思ってよ、とズボンまで下ろそうとしたのでさすがにメローネが止めた。メローネが止めたことに大多数がどよめいた。メローネいわく、一部例外はあるけど反応のないやつのズボン下ろしても面白くないだろ、とのこと。一部の例外がひどく気になる。ギアッチョがサッとベルトを押さえた。剥かれそうになったことあるの?私が遠慮して口にしなかった質問を、代弁するかのようにフーゴがずけずけと訊いてくれた。ね、ねねねええよ、あるわけねえだろ!怪しかった。
「パソコンを積んであるボートに戻って、指紋照合システムにかけなくてはいけないんだが、……この場合はどうしたらいいんだ、イルーゾォ?」
「ボートの近くに鏡があれば、この鏡の中を通って安全に戻れるんだけどなあ。まあ普通ねえよな」
「なかったと思うぜ」
大所帯でぞろぞろと動くのは、狙ってくれと言っているようなものだ。もっとも、遠近どちらの戦闘にも長けたプロがいっぱいいるからそう簡単には負けないだろうけど、確実に狙ってきた相手が刃物を吐いたり老化したり凝結したり心臓以外を持ってかれたり蜂の巣にされたり撃たれたり感覚を研ぎ澄まされすぎて動けなくなったりするだろうけど、それでも万一の事態は避けたい。

腕を組み、そうだな、と呟いたブチャラティの隣でジョルノがある提案を口にした。
「ソルベのスタンドで僕たちの中の誰かふたりを変装させて、観光客のように装ってボートまで行けばいいんじゃないですか?」
「オメー、よくソルベのスタンドなんて覚えてたなア」
「忘れるわけないじゃないですか」
感心したホルマジオに、ジョルノは冷えた視線を向けた。サン・ジョルジョ・マジョーレ島での出来事は絶対に忘れられないだろう、と、あの場にいた全員がジョルノの視線に頷いた。調子に乗って心配かけてすみませんでした。
「恋人同士だったら、ふたりが並んでいても不自然じゃないよ、ブチャラティ!」
「そうだな、……トリッシュとポルポが残るのは当然として、誰が行く?」
ぐるりとブチャラティがその場を見回した。しゃがみこんだり立っていたり手をつないでいたりした男たち14人が、近くにいる者と顔を見合わせた。どうする、とそれぞれが言葉を発する前に、ひとりがどんと胸を張った。
「俺とペッシが行く」
「兄貴、まじですか!」
ひええと飛び跳ねたペッシをプロシュートが小突いた。ビクビクしてんじゃねえよ、オメーの隣にいんのは誰だ?あ、兄貴ー!私はどこぞの四国の鬼の船にでも迷い込んだのかと思った。
「ふはっ、やべ、プロシュートとペッシが恋人同士とかやべえ似合いすぎる」
「ぎゃははソルベ笑いすぎだっての、ぶはっ、どっちが女やるんだ?やっぱペッシか?え?」
「俺だ」
「お前かよ!!」
冷静だったはずのフーゴまでが叫んで、ブチャラティもわずかに目を見開いた。あんたがやるのか。ったりめーだろ、どっちのが女と付き合った時間が長えと思ってんだよ。なるほど。ブチャラティが納得したように頷いた。納得しちゃうんだ。あと、そういう基準なんだ。

ノリノリのソルベによって金髪でスタイルのいい女性へと変化したプロシュートは、チッと舌打ちして私を見た。嫌な予感がするなあとは思った。ソルベがこっちにウインクしてんだもん。
「服が緩い。ポルポ、テメー今すぐ脱げ」
「やっぱりそう来ると思ったわー……」
プロシュートのスーツは男女の体格差と身長、ウエストサイズなどの変化によって肩や袖が余り、彼シャツならぬ彼スーツですか、と訊ねたくなるほど色っぽい様相に変化していた。どこか彼――否、彼女の身長や体系が私に近かったのはこのためかソルベ。どこまでも抜け目ない男よ。
おら、と急かされて、私はぽりぽりと頬をかいた。岩場もないし、仕方ないから肉の壁を召喚しよう。
「ごめんだけど、誰か前に立っててもらっていい?おっぱいは許せてもちょっとパンツは恥ずかしいから」
「ポルポ、胸も許しちゃダメですよ」
「ありがとうジョルノ、まともな人がいてくれて嬉しい。あと、メローネは大人しく待っててね」
ちぇー、と頬を膨らませたメローネ。堂々と私の着替えを眺めるつもりだったのだろうけど、させるわけないだろ。可愛い顔したってダメだ。ああでもすごく可愛い顔をしているので抱きしめたい。あとでそうしよう。
数人の陰でワンピースのチャックを下ろす。手が届かないから下ろしてって言うテクニックあるよね、と話しかけたら、さっさと着替えろとプロシュートに言われた。同時に脱いでいるらしい。今、君女の身体だけどそういうのいいの?いいんだろうなあ。男気あふれている。そして顔を覆っているペッシが想像できる。女の身体だけどプロシュートだって思うと全然興奮しないな、って呟いていたメローネは無視。
「ブラジャーいる?」
「あー……ソルベ、サイズどうなんだよ?」
「ポルポよりちょっとちっちゃいくらいにしといたぜ。俺はもう少し小さい方が好みだけど」
「あ、わかるわかる、俺もだぜ」
「マジか。話が分かるなミスタは」
なにおっぱい談義に走ってんだよ。私はワンピースでブラジャーをくるんで、ブチャラティの横から手を伸ばした。すたすたと近づいてきたプロシュートがそれを受け取り、代わりにプロシュートのシャツを渡してきた。
よく考えなくても、私、いま自分の下着をプロシュートに晒してるのか。なんだこれ。どんなプレイだよ。同じことを思ったのか、プロシュートがポルポの下着をつけるって考えるとちょっと興奮するかも、と呟いたメローネは無視。
「靴も寄越せ」
「へいへい。おお、砂浜の感触」
何年ぶりかな。鏡の中なので、焼けるほど熱くないというのがまた心地よい。砂に埋もれて遊んだことあるなあ、と、素足でさりさりと砂を掘りながら思った。ていうか、私パンイチ素肌にシャツだけなの?ズボンくれよ。
要求すると、不機嫌そうな声が返ってきた。もっとも、いつもと変わりがあるかといえばそうではない。プロシュートはだいたい威嚇しながら喋る。
「長さが合わねえし、俺としちゃあ履かせてやりてえ気持ちは山々だが、メローネがいるからな、逆にそっちのが安全だ」
「なにそれこわい」
「プロシュートって俺のことよくわかってるよな。案外シュミ合うんじゃねえ?」
「一緒にすんな」
肉の壁さんの横から顔を出すと、私のワンピースを綺麗に着こなしたプロシュート♀がペッシを連れてイルーゾォに向かっているところだった。先ほどのものとは違う手鏡を渡され、私の鞄にそれを突っ込んだプロシュートとペッシを、気をつけてねと見送る。片手を挙げて鏡の世界から出て行ったふたりは、非常に頼もしかった。グレイトフルデッドとビーチボーイ、なんだかんだで強すぎる。

誰にも見とがめられることなくボートに辿りついたプロシュートとペッシの功績により、私たちは安全にサルディニアから脱出することができた。
コンピュータの回線越しに接触してきた謎の人物の存在にわずかに場がざわついたものの、「この人を信じていいと思うわ」というトリッシュの言葉で沈静した。私はプロシュートと衣服交換をしてのんびりプロシュートのおっぱいに触ったりしていたため、あまりそのあたりの話は聞いていなかった。(気安く触ってんじゃねえよと叩き落されたけど)
目的地はローマだ、と行き先を決めたブチャラティの後ろで、ホルマジオとギアッチョたちがローマのメシはなにがうまいかな、なんて話し合っていて、割合的にまともな人間が一気に減ったブチャラティの苦労がしのばれた。そうですねと同意したジョルノも、ローマには数時間とかからずつきそうねと地図を見たトリッシュも、話が一段落するとペッシの持っていた北イタリアの観光雑誌に目を向けていた。ブチャラティは気を引き締めてかかれよ、と発破をかけつつ、フウとため息をついている。
ボートはアバッキオの操縦によりサルディニア沖に出た。ようやく余裕ができたらしいブチャラティが、隣で特に口も出さずに海図を見ていたリゾットに何か話しかけたのが見える。リゾットは短く相槌を打ったり、きちんと顔を向けて意見を口にしたりと相変わらず落ち着いた様子だ。リゾブチャ、とふいに浮かんだ単語を思考の底に沈めた。いかんいかん、汚れた目で見てはいかん。
「俺さあ、この旅にポルポがあの雌猫連れて来るんじゃないかって冷や冷やしてたんだぜ」
「……あ、ビアンカ」
メローネの言葉で思い出した。私、ビアンカのこと放置したままじゃね?
おもむろに携帯電話を取り出して、ちょっと電話するわ、と立ち上がった私に、メローネがぷくっとまた頬を膨らませた。可愛かったので撫でた。私は25歳の成人男性にいったい何を。でも怒ってないようなので続行。ガチャリ、電話が繋がった。あ、もしもしビアンカ、と呼びかけようとしたところで、キインと激しく電話がハウリングした。
「やっと電話をくれたのねポルポ!わたくし、わたくしあなたが組織を裏切ったって聞いて、し、し、死んだって聞いて……でもそんなの信じなかったわ!だってポルポはわたくしを置いて死ぬはずがないんだもの!でも不安だったの、さみしかったの、もう、もう、ふつかも会ってないのよ、言葉も交わしてないのよ、もうみっかめが近づいてるわ!ポルポ、ポルポ、どうしてわたくしを連れて行かなかったのよお!」
マシンガンみたいな言葉が鼓膜を揺らした。音が割れながら、スピーカーフォンでもないのに周りに響く。私はみんなからちょっと離れた。
「あ、あのね、ちゃんと生きてるから安心してね。連絡しなかったのはごめん、正直、色々あって忘れていた。すまん。……それで、ビアンカは大丈夫なの?私の裏切りで、なんか絞られたりしてない?」
「もう、ポルポったらドジなんだからあ。わたくしがポルポのことを怒れないって知ってるでしょう?もう……。あ、そうそう、追手というかね、わたくしからあなたの情報を引き出そうなんて考えたバカが何人も来たから、全員殺しちゃったけど、よかったわよね?」
あ、全員殺しちゃったんだ。そうですか。問題ないです。なむさん。
「ふふ、わたくしに鞭打とうとしたから、逆に打ってやったらとっても喜んでいたわ。せっかくのスタンド使いを無駄にするなんて、ボスって浪費家なのかしら?」
十中八九喜んでない。そして数人のスタンド使い相手に大立ち回りして勝利するビアンカが怖い。
それからいくつかお互いの近況を言い合って、私はひと言伝えて電話を切った。こっちの体制が落ち着いたら連絡するから、それまでうまく隠れててね。ビアンカは軽やかな声で笑って、飛ぶ鳥跡を濁さずって言うわよね、ゴミ掃除はしておくから安心して、と言っていた。こわい。むしろそれ跡が血で濁る。
久しぶりのビアンカ成分に心がちょっと荒んだので、私はこちらを見てむすっとしていたメローネと、観光雑誌に群がる喧噪から離れて本を読んでいたフーゴにまとめて抱き着いた。ああ癒される。ああ癒される。大事なことなので以下略。

ローマまでは、まだちょっぴり遠い。