13 ザ・サン


汗をかき、ブラウスは濡れてべたべただ。髪もしっとりしているし、ハンカチも使い物にならない。ひどい暑さだった。
ラクダに乗っているリゾットを見て異国情緒を感じたのも束の間、これから起こる出来事に向けて私は対策を怠らなかった。あのさ、と伏線を張って注意を促す。さっきから視線を感じるし、もしかしたら誰かにつけられているかも、と。
「セクシーな承太郎くんの追っかけファンかもね」
「俺たちを追いかけてくるのはDIOの手下以外にはありえねえぜ」
「承太郎くんは自分の魅力をわかってない」
承太郎くんはラクダの上でうまくバランスを取り、やれやれと肩を竦めた。
「で? リゾット、てめーの意見を聞かせろ」
「確かに、居心地の悪さは気になる。暑さのせいだけではないだろう」
感覚の鋭いリゾットの同意を得ると、途端に彼らは私の言うことを信じた。リゾットの株がガンガンに上がっていて嬉しいよ。戦闘面でも人としての誠実さでもリゾットは確実に信用されている。寡黙だし冷静だし、きちんとしているってすぐに解るもんね。
強固な優先順位については苦笑されているようだけど、それはこちらの事情を考えれば当然だと思うのか、ジョースターさんやアヴドゥルさんは何も言わなかった。花京院くんは彼らの選択に従っていて、承太郎くんもこだわる様子はない。今ここにいないポルナレフも、もちろん。
リゾットが違和感を覚えるのなら、と、承太郎くんたちは先ほどよりも背後に気をつけ始めた。ヤシの葉で足跡を誤魔化して進み、承太郎くんはスタープラチナで時おり後方を確認した。
もしかしたら鏡写しの景色に気づいてくれるのではと期待したが、急激に上昇する気温の中では大きく景色を揺らがせる蜃気楼が発生し、余計に視界が惑わされる。からくりを知る私でも敵を見つけられそうにない。
ああもう、暑さで死にそう。この場合は何死になるのかな。前は窒息死だったけど今回はどう言えばいいのかな。
いや、死なない死なない。危ない、どんどんラリってってる。思考をまとめようにも集中力が続かなくて困る。
「まるでわたしの炎だな」
「シャレにならねえぜ」
熱に慣れているアヴドゥルさんでさえ苦しそうに天を仰ぎ、頻繁に水を飲んだ。喉が渇いた時にはスデに脱水症状に一歩踏み込んでるとよく言われるが、本当に干からびて死ぬわ。こんな壮大でトリッキーなスタンド使いにやられて冒険が終わってしまうなんて悔しすぎる。"船は二艘あった"よりも単純できつい手管だぞ。ウミネコのイベントは起きなかったけど、あの台詞は忘れられない。ぺらぺらのコンドーム発言で全私がブチャラティの認識を改めた。
突然の風塵にあおられ、ぐらりと身体が傾いた。身体のコントロールが利かなくて焦りまくったが、転びかけてるんだから焦ったってどうしようもないわよな。更にいうと傾いだのは私ではなくてラクダだったので、もっとどうしようもなかった。
来たる衝撃に備えて身を縮めたが、砂は意外と柔らかかった。でもこの汗だくの状態で砂風呂にダイブしたくはなかったよ。げほげほぺっぺ。
ラクダは荒い呼吸を繰り返し、起き上がる気配がない。額から頬を伝って流れた汗を手の甲で拭った。
たぶん一人旅だったら私もここで死んでたな……。
そこまで考えていやいやいやと首を振る。絶対これより前に死んでるわ。何を言っとるんだ私は。茹だっているとしか思えない。
意地でも学ランを脱がない承太郎くんが手のひらで頬をこすり、汗の粒を砂に飛ばした。落ちた水滴はすぐに蒸発する。靴底から伝わってくる熱は、やはり相当なもののようだ。
「ふぅ……、多少の急場しのぎにはなる、か?」
仙水ファミリーのように7人で穴を掘るにはひとり足りないが、百人力のスタープラチナは人間全員の墓穴を掘るよりはずっと容易く砂漠をえぐった。しっかりした砂のかまくらにもぐりこみ、しんなりした天パをかき上げる。くっ、私が色っぽくてこう、セクシーで艶やかで肉感的で、人の下心を掻き立てられるようなイタリア人女性だったらこの仕草一つでジョースター一行を陥落せしめたのにな。
「やっぱりスネークされてたねえ」
私の突然のネタ振りは、多種類のゲームをやり込む花京院くんが理解して頷いてくれた。
「ええ。通報してやりたいですよ。リゾット……さんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
隙を見せないリゾットの呼吸は、だけど少し荒かった。間近で聞いているこっちはドッキドキ。熱中症で倒れたらどうしよう。夏以外に暑くてこれほど汗をかいているリゾットってレジェンドレベルでレアだよ。加えてぶっ倒れたりしたらもう、これはお金を溶かしてでも手に入れなければならない特別な姿になる。ただ今は洒落にならない。
心配六割、邪心四割でリゾットの首に触る。わあああこの汗。発汗リゾットの貴重さったら、もうFカップとかスタンド攻撃とかどうでもいい。よくないけど!あとおっぱいが押しつぶされてて苦しいけど、そんなのもどうでもいい。こっちは本当にどうでもいい。
おっ、今ならブチャラティはリゾットの汗を舐め放題だね。
「(どうかしてるわ……)」
私も頭が沸いてる。いつものことかな。
彼もまた、私の首に触れた。前を見たまま手の甲を当てられて、ちょっと気持ちが良かった。私の首よりリゾットの手の方が体温が低いんだな。すぐにぬるくなってしまったけど、蜃気楼の向こうに異変を見つけるまでの束の間の安らぎってやつよね。お風呂に入りたいよお。こういう太陽攻撃はDIOに向けてやってくれ。私たち、ポカリも冷えピタも持ってませんからね。視界がチカチカと明滅した瞬間、アウトだ。
肩を揺らし、花京院くんが引きつった声を上げ始めた。
「……はは、ポルポさん、リゾット……さ、はは、あはは、ほほ、あの、あ、のォホホホ……見てください……アレ……」
つられてリゾットも笑わないかなと思ったが、奇妙な影を見つけても彼は表情を動かさなかった。射程距離を測り、遠いと悟って、万感の思いを籠めてこう呟いただけだ。
「頭がどうにかなりそうだったな」
「ゲホッ」
むせる私をよそに、敵は見事にぶちのめされた。

押し合いへし合いでぎゅうぎゅうになりながら名も知らぬ彼が使っていたクーラーで涼み、ようやく生き返った心地がする。
それから何分も歩かないうちに、ジョースターさんがぶるりと身を震わせた。なァんか寒いんじゃよなあ。
あんなに汗をかいたから夜風で冷えたのだろうか。それとも急にクーラーの風を浴びたのが悪かったのか。
アヴドゥルさんがジョースターさんの腕に触れた。うっすら汗をかいて見えるのに、体温は低かったようだ。よく見ると顔色も悪い。太陽のいなくなった空は星が綺麗で"そらきれい"って感じだけど、暗闇の中でも彼の精悍な顔がぐったりしているのは読み取れた。
眩暈がして気持ち悪くて力が出なくて震えるくらいに寒いとのこと。これまでの状況と照らし合わせてティンと来る。
アヴドゥルさんと目を合わせると、アヴドゥルさんは私の代わりに口を開いた。
「ジョースターさん、それは熱中症ですよ」
ポカリ持って来て。
「ねえよ」
「う、うん……」
ヤプリーンの村に辿り着くまで、もう少し距離がある。
アヴドゥルさんと承太郎くんがジョースターさんを助け、月明かりから姿を隠す。
積まれ並べられた荷物に足をのせたジョースターさんは、おええ、と吐くふりをして横を向いた。服のボタンを外されるお爺ちゃん。彼はうんうん唸りながら私にお水を求めた。渡そうとしてから、ミネラルショックを起こしたらヤバいんじゃないかと気づいてしまって水筒をひょいと遠ざける。寸前でいじわるをしたみたいになってしまった。このジョースターさんの唖然とした顔は忘れられなさそうだ。ごめん、わざとじゃないんですよ。
「こういう時ってお塩とか舐めなくていいの?」
「そこまで発汗しているわけじゃあなさそうですし、大丈夫じゃないですか?」
そういうもんか。
水筒を渡して様子を見る。寝転んだまま飲んで思い切り噎せていた。急いで背中をさする。それほんとに危ないから気をつけて。
跪くと、細かな砂の粒を感じられた。砂漠には熱がこもっているのかと思ったけど、案外そうでもない。昼間は足元からも熱が立ち上っていたのにね。
リゾットが荷物の中から携帯毛布を出し、ジョースターさんの身体をあたためる。
皆から献身的な介護を受けるジョースターさんは、目を閉じてしばらく黙っていた。誰も喋らず、一気に夜の静けさが耳を突き刺す気がする。地味にお通夜の雰囲気になってるんだけど、何か無駄話でもした方がいいのかな。でもこういう時って怠いから喋りかけられても困るか。
どうするか悩んだ結果、私はジョースターさんの手を握ることにした。義手の方に触れたので、機械の存在をすっかり忘れていた私は指先の感触に驚いてしまう。ぴゃっと手を引いたのは、ある意味で怖かったからだ。いかにあの(頑丈、チートでそれと知られる)スピードワゴン財団の物であれ、精密機械は触っちゃいけないような気がする。壊したら大変じゃん。まあもう数十回くらい壊れてそうだけど。ジョースターさんの無茶により有意義に進化してしまうSPW印の謎の技術。
「承太郎、心配だろう。ついていたらどうだ?」
花京院くんは承太郎くんの腕を引き、ジョースターさんの傍へ寄せた。承太郎くんは足元の砂を靴でぐりぐりほぐしてから「やれやれ」と肩を竦める。
「ジジイのドジには付き合っちゃいられねーぜ。さっさと一眠りしな」
承太郎くんの口からドジって言葉が出たことを世界に感謝。ヒィィ、ドジ。ドジっ子とか言ってくれないかな。言わないよね、わかってるよ、わかってるけど今日だけでも夢を見たい。
「承太郎……いざとなったらお前に担いでもらうぞ」
「俺じゃあなくスタープラチナに言え」
「スタープラチナー!わしを頼んだぞー!」
「それだけ元気があるなら歩けそうですね、ジョースターさん」
苦笑交じりにアヴドゥルさんが言った瞬間、ジョースターさんはわざとらしくカクリと力を抜いて頭を横に向けた。承太郎くんに容赦なく蹴られている。
ユーモアに溢れてはいるが、具合が悪いのは本当なのだし、ここで野営なんかをしても良かったのかもしれない。
けれどジョースターさんは数分間ジッとすると、やおら立ち上がって毛布を畳んだ。雑に畳んでいたので、几帳面さを発揮したリゾットが代わりに畳み直していた。
「よし、行くか」
「あぁ」
ファイト一発、承太郎くんのたくましい手がジョースターさんを引っ張り起こした。


熱中症から僅かに回復したジョースターさんを気遣いながら歩くこと、およそ15分くらい。私はふと自分の体調の変化に気づいた。んんん?なんか釣られて私まで気持ち悪くなっちゃったかな。目の前にしんどい人がいると自分までしんどくなったような錯覚に陥ることってある。そのクチかと再び5分ほど雑談で気を紛らわせてスルーしていたのだけど、最高に無駄な話題(洋服屋さんで店員さんに話しかけられた時って困らない?)でリゾットに同意を求め彼を仰ぐと、怪訝そうな顔をされてしまった。ぐに、と指の背が頬を押す。
「寒くはないか?」
「夜風のせいかなと」
「違うだろうな」
否定もここまでバッサリしていると気持ちいい。
リゾットは名前を呼んで承太郎くんの気を引いた。片手は私の肩を支えたままだ。こうなると微かにこみ上げていた吐き気が本当に思えてくるから不思議だ。なんでだろうなあ、心配されるとそんな気がしてきちゃうのかな。
いや、と心の中でもう一人の私が囁いた。もしかしてガチなんじゃない?
どうしたどうしたと振り返った4人の男たちに向かってリゾットが言う。
「ポルポの具合も良くない」
誰も聞き返さなかった。お互いに顔を見合わせざわついてから、すぐにリゾットと私を取り囲む。ついさっきまでぐったりして寝込みかけていたジョースターさんも、自分のこと以上にこちらを案じてくれた。も、もう、私に優しくするとすぐ大好きになっちゃうぞ。もう大好きだけど。
「で、でも、あのさ……」
そこまでひどくはないんだよ。横にならなくても平気だ。歩けるし、たぶん走れる。寒気だって弱いもん。頭が痛い気がするけど、これだってギャングの構成員になったりビアンカの暴走の後処理をしたりアホなパーティーに呼ばれてパーティードレスに気が遠くなる装飾を施す必要が出た時と同じくらいのレベルだ。私にとっては昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わりのない状況。ジョースターさんの言葉じゃあないけど、ヤプリーンの村で一晩ぐっすり眠れば問題ない。しょっぱいものが食べたい気もするので、到着したらナッツでもかじらせていただこう。そんくらいだ。
だけど、彼らはそうは思わなかった。
色んな意味で青ざめる私(だってこの旅にはタイムリミットがある)を前にアヴドゥルさんが再びスタクルの侍医と化し、新しいタオルを何故か私ではなくリゾットに渡した。彼はそれで私の顔を拭う。自覚はなかったが、汗をかいていたのか。
甲斐甲斐しく汗を拭き終わると寒さ除けにひっかぶる上着を出し、リゾットは子供にレインコートでも着せるような事務的な顔で留め金を嵌めた。動きがてきぱきしてるのは元々の性格もあるだろう。
しかし純粋では、いや、ある意味で純粋極まりない私にはその理由が『慣れ』ゆえに感じられるんですよね。熱中症になった誰かを看病したことがあるのかな。ほぼ毎日顔を合わせている今とは違い、パッショーネ時代は二週間に三回くらいのペースでしか訪問していなかったので、その他の空白の期間を知らないんですよね。誰だろうね、熱中症になってリゾットたちに介抱されたのは。ペッシと考えるのが普通だけど、ここはあえてギアッチョで想像しよう。熱にやられて顔色を悪くし、いつもより世の中にガンつけながらぜはぜは言ってるギアッチョは天使。ギアッチョという天使を失った天界は大騒ぎじゃないかな。天使は今私の腕の中にいるぜ。まあ、いないんですけど。
「少し休ませた方が良いな。ジョースターさんと違ってポルポにはあまり体力がない。この旅に同行する中でもひどく疲れていることがあっただろう。消耗は症状をひどくする」
「そうですね……このまま女性を歩かせるのは酷だ」
いやいやいや、と急いで首を振る。私なら大丈夫だって。村まであと一時間くらいで辿り着く目途が立っているんだから、それくらいは我慢できるよ。夏のイベントだって祭りが終わって初めて具合の悪さに気づく、みたいなのあるじゃん。つまり夢中になっている間は大丈夫なんだよ。これは精神論に近いので自分にのみ適用するけど、今までだってそういう経験はある。
熱中症が侮れないのは重々承知の上だ。……ていうか、ていうか!ていうかなんでみんな同じ状況下だったのに私とジョースターさんだけが熱中症になってるのよ。おかしいでしょ。きっちり学ランやローブやコートなどを着こんで厚着をしている3人組がぶっ倒れなくて、なんでよりにもよって薄着の私たちなんだよ。リゾットの上着は結構しっかりした造りなんだぞ。ぺらぺらじゃないぞ。頭巾か。頭巾が良かったのか。今は取っちゃってるけど、かぶっていたのが良かったのか。
拒絶は意味をなさなかった。自分の体調をおして旅を優先したジョースターさんも、先を急いでいるはずなのに、私を優先してくれる。そんなことしなくていいんだって、もうマジで、人命かかってっから。日々のめまぐるしい大変さの中でも決して忘れられない旅の目的があるから。私は、その、ああ、えーっと。
「大丈夫大丈夫、こういうのイタリアじゃあ日常茶飯事だよ。知らないだろうけど、私が仕事してた時とか、この状態で百人切り、とかざらだったし。ねえリゾットちゃん?」
ぶっちゃけ私のせいで何かあって欲しくない。これまであまり行動を起こさず、流れに沿って旅をして来たのもそれゆえだった。何か影響が出て進行が数日滞るだけでアウトなのだ。怖すぎて手を出したくないというのが正直な心境である。
大まかに旅の目的を教わったリゾットは私の考えに気づいている。だって長い付き合いだもん。そのくらいはツーカーですよ。そうだと思いたい。そうだよね?そうですよね。そうだって言ってくれると私めっちゃ嬉しいな。助けを求めて見上げた。大丈夫そうだって言ってくれないかなあ。彼の性格上、言わないとは解ってるよ。
旅の進行を邪魔せず、かつ私を歩かせたくないリゾットはシンプルに答えた。
「進んでくれ。抱えてついて行く」
「……アー……、そうか。君がそれで良いならそうしてくれ」
アヴドゥルさんが悟りを開いた。私も開いた。リゾットお前、絶対別の案あったでしょ。知らんけど、あったに違いない。なんでプランBを選ぶかな。
リゾットは私に水を飲ませて背をさすってから、身体を支え、膝の裏をすくった。マジかよ羞恥プレイじゃん。いや、いいんだけど。私は楽だよ。
「重くないの?疲れるよ、絶対」
「何度も言うが、慣れている」
「冗談でも"重くない"って言って」
「"重くない"」
このやりとりはリゾットが折れるまで続けるつもりでいる。自分で言っててアレだけど、"折れるまで"って何だ。折れなきゃいけないほど重いのか私は。悲しくなり過ぎたら、優しいイタリアーノに否定を求めよう。
「ちなみに"慣れてる"って、何に?私の体重に?それとも、誰かを抱えて歩くことに?」
「……」
あっ、後者の経験もあるんだね。誰かな、歴代の彼女かな。特に何も思わないけど何時間耐久レースをしたのかだけはめっちゃ気になる。あとそれどういう状況?今みたいに彼女が熱中症を起こして南イタリアの街をこんなやり方で闊歩したの?あーん!謎の羞恥とトキメキに襲われた彼女さんが死んじゃう!私も恥ずかしくて死にそう。
さっさと体調を回復させてステータス異常とリゾットの負担をなくす為、じっと黙ってリゾットの胸に凭れかかっていたんだけど、何やらそれが余計に宜しくなかったらしい。本当に幸運なことに15分くらいで吐き気が治まったのに、静かにぐったりしていたと思われて、それから体感で30分、ずっと下ろしてもらえなかった。本当に合金でできてるのかな、この人は。30分後、自分の足で立ち砂を踏みながら、リゾットの筋肉をちょっとだけ揉んだ。
ヤプリーンの村までは、まだ少し遠い。