パンジー・パーキンソンの挑戦
そういえばシリウスってどうしてるのかな。
生き延びたシリウス・ブラックはいったいグリモールド・プレイスホニャララ番地で何をして過ごしているのか。ハリー君ならペンシーブでやり取りしているんじゃないかなと推理して、なぜかグリフィンドールテーブルに招かれた朝食の席でふと気になったんだけどと切り出してみた。
「シリウスは"奴"に関する情報を集めるようにダンブルドアから言われてるみたいだ。昨日、ゴドリックの谷から戻ってきたところだって」
「へえ。何か収穫はあった?」
「うん……詳しくは話してくれなかったけど、ダンブルドアに報告することはあったって言ってた」
そうなんだ、ともっともらしく相槌を打ってパンをかじる。
「シリウスに危険なことがないといいわね……。例のあの人について調べるってことは、その分死喰い人とも近づく可能性があるってことだわ」
ハーマイオニーちゃんの言葉に、ハリー君は、シリウスなら大丈夫だろうけれどね、とここにはいない親権者を信頼する様子を見せた。
ゴドリックの谷というとハリー君の生まれた家がある所だよね。実はダンブルドアが暮らしていた場所でもあって、えー、グリフィンドールさんの生地なんだっけ。その名の通り。そこでシリウスが見つけたダンブルドアに報告すべきことって、なんかあったっけ。
なんだったかなー、なんとなくおぼえはあるような気がするんだ。だって主人公三人組がそこを訪ねて、ああそうだ、蛇に襲われるんだ。ナギニたんですはすはできるのは我が君くらいです。なんで蛇に襲われるんだっけ。何を探していたんだったか。何かを探していたかは忘れたけどナギニに襲われるんだわ。バチルダ・バグショットに化けたナギニに。なんで化けられていたんだっけ。忘れた。もう完全に忘れていた。ひどすぎる。つい、えっと、三年とチョイ前に原作を読み返したはずなのに。ザッとした内容しかメモってなかった過去の私を痛い目に遭わせたい。あっやっぱり痛い目になんて遭いたくない。ちなみにざっくりしたメモには"スネイプ先生がナギニで死ぬ"、"ルシウス・マルフォイの杖と心がバキバキに折られる"、"分霊箱の一つは『悪霊の火』で破壊される"、"グリフィンドールの剣・バジリスクの牙有用"、"7巻に巻き込まれると絶対死ぬ"って書いてあったよ。自分なら記憶しておけるなんて慢心していたわけじゃないがなんだかんだバタバタしていてメモを取る時間が、いやもう言い訳は止そう。すみませんでした。記憶力には限界がありました。メモることが出来る内容は案外憶えてるもんだよね、うん。
「あっ、あー……そうだ、うん」
「どうしたんだ?」
「ごめん、お昼ご飯に何を食べようと思ってたかを思い出しただけ」
「なんだそれだけかよ」
テキトーなことを言ったらロン君が納得した。
そうそう、彼らはグリフィンドールの剣を探してバチルダ・バグショットを訪ねるんだ。ハリー君とハーマイオニーちゃんだけが行くんだよね。ロン君はその時離脱中だから。うんうんうん、ちょっぴり思い出したよ。良かった。何が良かったのかわかんないけど。
えーっと、もしもシリウスがそのバチルダ・バグショットを訪ね、同じように彼女がすでに死んでいると知ったら。それをダンブルドアに報せたとしたら。ナニが起こるんだ。わかんねえ。結局彼女はグリフィンドールの剣とは無関係だったわけだし、あの場面でハリー君たちが手に入れた情報ってなんだっけ。結局グリフィンドールの剣については空振りだったんじゃなかったか?いやしかし意味のない描写が入るとは思えない。何かしらはあったんだろうな。
何かしらってなんだったっけなー。
記憶をほじくり返したって、出て来るものと出て来ないものがある。出て来たのは思い出すのもつらい黒歴史だけだった。くそっこんなんじゃ、こんなんじゃあないんだ。餅で死んだ後の薄い本の行方なんて考えるだけ無駄なんだ無駄無駄WRY。無駄なんだ。涙がこみあげて来るわ。
一部大盛況の姿現しの授業を終え、ばらけなくて良かったと安堵しながらスリザリン寮へ戻る。授業について感想を交わし、スケジュール帳をぺらりと捲る。次の授業は来週だ。
「ねえ、バレンタインデーはどうするの?」
そうねえ、確かにそろそろ考えておかないといけないかもしれない。
「パンジーはどうするの?いつもみたいに買う?」
「ん……それなのよね」
ご時勢がどうであっても乙女は恋の悩みでいっぱいだ。
パンジーはあまり料理をした経験がないので、今までバレンタインデーには歴史ある魔法界のお店から取り寄せたチョコレートを選んでいた。しかしルシウスさんの家に身を寄せる今、自由にできるお金も少ない。お小遣いはきちんと貯めていたみたいだけど、ここでドラコ君の為になげうつというのは正しい選択ではないと彼女は理解していた。
「あんたは毎年作ってるんだっけ」
「厨房を借りてね」
今年は何を作ろうかな。ブラウニーはついこの間食べちゃって私自身が飽きているので却下。楽しく作らないとね。余りものを自分で食べるのが手作りの醍醐味でもあるので自分に甘く行っておく。
「一緒に作る?」
屋敷しもべ妖精がいっぱいいるから嫌かな。でも彼らって凄くお手伝いをやりたがってくれるから作業が楽なんだよな。
「……屋敷しもべ妖精がいるんでしょ。ハウスエルフと同じ場所で調理なんて嫌よ」
あっやっぱり嫌なのか。
「ビジュアルがダメ」
そんなどうしようもないことを言っちゃあ可哀想だろう。しかしまあ、嫌なものを変えろと言うのもおかしい。代わりに作ってあげるっていうのもナニか違う。
「作りたい?」
パンジーは頷いた。顔がちょっぴり赤い。
作りたいなら、作らせてあげたい。私は誇れるほど料理が得意なわけではないけど、友達のチャレンジは応援するぞ。サポートできることなら出来るだけやらせていただきます。
でもどうしよう、場所がないぞ。調理をするために必要な部屋が。
「(あら)」
あるじゃん、"調理をするために必要な部屋"。私のひらめきってば天才的だってばよ。あそこならなんだって揃っているだろうし、ナニをしたって問題ない。たとえパンジーがオーブンを爆発させても私たちが焦げるだけで部屋自体には何の損害もないだろう。良し。何がベネなのかわからないけど良し。
バレンタイン前日、私はパンジーを誘って八階の廊下に向かった。途中で結構レイブンクロー生とすれ違ったけど、特別どこへ行くのか着目されることはなかった。意味もないのに他人に干渉しない、そんなスリザリンとは違う意味での個人主義があるのかもしれない。レイブンクローはちょっぴり謎な寮だ。
とある場所で手を繋ぐようにお願いすると、パンジーは不審そうに顔をしかめた。手を繋ぎたくないのかな、と思ったが違うらしい。良かった。
「もしかして去年あんたたちがアンブリッジの目から逃れてたのって、この部屋にいたからなんじゃないでしょうね?」
ご明察。DAはもう終わった集会だし、結果的にアンブリッジに離反する形になったパンジーに隠しておくことでもない。パンジーは呆れかえった。どうせこんな部屋のことを知ってたのはグレンジャーでしょあの頭でっかち本を丸暗記することにだけは長けてるんだから。いや、私はその辺りについてはあんまり知らないんだぜ。
厨房を模した部屋に入る。繋いだ手に力がこもった。どしたの。
「み、……見たことない器具があるんだけど……」
指さした先には電子レンジがあった。あと電気オーブン。魔法界の厨房は薪オーブンだもんね。
「あれはマグルのキッチン機材だよ」
「マ、ママッマ、マグルのものまであるの!?ホグワーツではマグルの低俗なエレクトロニクスなんて動かないんじゃなかったの!」
魔法の力で動いてるんじゃね?
レンジの後ろを覗き込んで見る。電気コードはなかった。扉を開けてみると文字盤に数字が現れ、空っぽのままスタートボタンを押してみる。ピーピーピーと警告音が鳴った。動いてるね。やっぱりナニか魔法的な力が電力の代わりになっているっぽい。
パンジーは機器が魔法の力で動いていると知って安心したようだった。ホッと息を吐いて、今のは忘れなさい、と低い声で脅しつけられる。うん、永遠に心のメモリーに保存しておくね。
休憩用に使うソファの上に畳んで置かれていたエプロンを身に着けてキッチンへ。じゃあまずひと口大のチョコレートからつくってみようか。溶かして固めるだけだから初心者にも敷居が低い、はず。たぶん。
「こういうこと、よくやるの?」
ざくざくチョコレートを刻みながら(なんとあのパンジーが手作業で!)他愛のない話をする。そうだね、家にいる時は結構頻繁におやつを作っているよ。三角巾をつけた少女は気のない相槌を打った。へえ、そうなの。ソルベ先輩とジェラート先輩がいるんだしあんたが出る幕もないんじゃないの?いやいや、ソルジェラもいつもいるわけじゃないからね。私も手作りしたくなるし。なぜかオーブンって持っていると使いたくなるんだよな。簡単につくれるケーキなんかも大きなオーブンでガッと焼くと気持ちがいい。定期的に使ってあげないと宝の持ち腐れだし、細切れに帰っているとはいえほぼ一年家を留守にしているので家具家電が錆びついてしまう気がして、家にいる時は色々なことに挑戦するようにしている。
「あんたって意外とマメね」
チョコレートを冷やしている間に、小さくしておいた別のチョコレートでロールケーキの準備。なぜロールケーキかというと、そりゃもちろん日持ちしない食べ物だからだ。冷却呪文をかけて永遠に保存しておこうとする人が若干、ごく一部、極めて少ない数、具体的に言うと一人存在するからね。ケーキ生地は私が作ることにして、パンジーにはナッツをざっと砕いて粉類を混ぜてもらう。チョコレートだけだと作っている方も飽き飽きしてしまうのでクッキーも混ぜることにした。嗅いでいるだけで糖分を摂取できそうな、バターとお砂糖と卵の濃厚な香り。ブリリアントだ。
「あんたよりあたしの方が上手につくれたんじゃない?」
「そうかも。センスあるよパンジー!」
「ふふん」
うまく巻けないよーと笑いあいながらなんだかんだでロールケーキもトリュフチョコレートもスノーボールクッキーも完成。ソファに座ってそれらを味見しながら、冷めたお菓子を一つ一つ丁寧にラッピングしていく。私はラッピング作業が少し苦手だから魔法でやろうとしたのだけど(だってお買い物では従業員さんにお任せしちゃうし、家ではラッピングする機会なんて特にない。慣れの問題だ)他ならぬパンジーによって止められてしまった。
「ここまでやらせておいて自分だけ魔法で終わらせようっていうの?」
そう言うパンジーはなんだか楽しそうだった。私もお友達とお菓子づくりをした経験は少ないし、すごくすごくめちゃくちゃあり得ないくらい久しぶりだったけど、ひょっとするとパンジーもそうだったのかもしれない。そんなきらきらしたパンジーの瞳に逆らえるはずも逆らうつもりもなく、私は杖を下ろしたのだった。
「ネエロ先生にあげるの?」
「うん、そのつもりだよ。みんなにあげて、パンジーにもあげる。そんであとはスネイプ先生」
「あぁ……あんたも好きよね、スネイプ先生のこと」
「なんだろうね、こっちに興味がない人を振り向かせたくなるのって人の性じゃない?」
「猫に構ってるような気持ちなのかしら」
そうかもね。暗殺チームのみんなってなんだかんだで猫っぽいよね。スネイプ先生も完全に黒猫だ。蝙蝠とか呼ばれちゃってるけどありゃ黒猫だ。にゃんこにゃんこ。いや別にそういう意味じゃなくて。そういう意味でもいいけど。徹夜はダメ絶対。
「スネイプ先生は食べてくれているの?」
「さあ……どうなんだろうね?」
性格的に捨てたりはしていないと思うけど。そこまで嫌われているわけではないと思いたい。それがハリー君からのプレゼントであってもスネイプ先生は捨てるか捨てまいかものすごく悩むタイプだと思う。目がリリーさんだからとかそういうことは置いておいても、なんとなくそんなイメージがある。パンジーも同意してくれた。
「あんたってスネイプ先生が好きなのかネエロ先生が好きなのかわかんないわね」
「学校じゃリゾットと一緒にいないしねえ」
「あんたも難儀よね」
婚約者同士なのにべたべたくっつけないからかな。スラグホーン先生が魔法薬学の教授として教職についてからというもの、スネイプ先生がそうだった時のようにレポート提出にかこつけてお茶をしに行くことが出来なくなった。確かにかなりリゾット成分が減少した半年弱だ。
「寂しくないの?」
そりゃあ寂しいけど、なんだかんだで私もいい年をしている。恋人が傍にいないから生きていけないなんて可愛いことは言っていられないし、お互いにそういう考え方はしない部類なんじゃなイカな。なんていうか、パンジー相手にこんなことは言わないけどさ、元々暗殺チームが死んでしまうことを知っていたこの身としてはね、生きていてくれるだけで、そこにいてくれるだけでいいんだよ!と力説したくなるんだよ。存在自体が奇跡。ここで出会えたことも奇跡。じゃあもうこれ以上望むのは分不相応ってやつじゃあなかろうか。それでも欲深くなってしまうのが私という罪な人間なわけだけど、罪びとは罪びとなりに我慢することを知っている、つもり、です。
「手紙のやりとりもしていないの?」
「してないねえ」
「……あんたたちそれでよくやっていけるわね……」
「以心伝心ってやつ」
「テキトーなこと言ってるんじゃないわよ、まったく」
呆れかえったパンジーに急かされ、天文学の授業の予習をする為に寮へ戻る。片手では作ったお菓子がいっぱいに詰まった籠を、片手では友人の手を握りしめて、まるで学生のようにきゃぴきゃぴしながら浮かれ切った足取りで八階の階段を下りる。まるでっつっても私たち学生なんですけどね。立派なホグワーツまほうまじゅつがっこうろくねんせいスリザリンぐみだよ。
「あ……」
「パーキンソン……」
パンジーは気まずそうに顔を逸らした。階段の下からこちらを見上げるのは、彼女とドラコ君がアンブリッジを裏切った際に魔法で昏倒させ袂を分けたクラッブとゴイルだったからだ。
二人は大きな身体をゆさゆさと揺らして私たちの横を、ほとんどぶつかるようにしてすり抜けると、私たちが来た方向へと足早に去って行った。
「……どこに行くのかしら」
私に問いかけたのではないようだった。私もパンジーと同じように彼らの消えた背中を見送る。どこへ行くんだろう。
何の前触れもなく飛来した疑問は、答えも確証も出ないまま胸に凝った。
魔法薬学の授業で完璧な解毒剤を作り上げたハーマイオニーちゃんはハリー君に、いや、どっちかっていうと『半純血のプリンス』に負けたことをひどく悔しがって、同じく完璧な解毒剤、さらにはより強力な毒薬を作り上げたメローネに共感を求めて酔ってもいないのにくだを巻いていた。聡明な女子が無念さに打ち震えている様子が可愛らしい。私?私は可もなく不可もなく。平均的な成績をおさめてネエロ先生に『可』の印を貰ったよ。もしかしてあそこでカナキリ草をもうひとつまみ入れていたら『優』がつけられたのかな?爆発するかもしれない恐怖に耐えるだけの勇気が足りなかった。
ハリー君はベゾアール石をすべての毒薬への解毒剤として提示し再びスラグホーン先生の信頼と評価を勝ち得た。魔法薬学の天才だと思われている。
同じく天才と言われるメローネちゃんは何事もまったく気にした様子を見せず、グリフィンドールの席で私と並んで食事を摂りながら、ハリー君と一緒に半純血のプリンスの蔵書を読んでいた。俺ならここはこうするぜと意見すら述べており、ハリー君もそれを素直に受け入れ自分のメモに書きくわえていた。学力の上昇を狙っているのか堕落を狙っているのか私にはわからんでござるよ。ニンニン。どっちでもメローネには関係がなさそうだ。
面倒事を嫌がったギアッチョ、イルーゾォはスリザリン席でランチタイムを過ごし、普段ならイルーゾォに付き合って行動したりなんかイルーゾォを振り回したりバシバシ背中を叩いたりゲラゲラ笑ったりしている元気なホルマジオ先輩は現在保健室だ。今度はどくばりで一撃必殺即死ドラクエっぽい攻撃の実験をしていたところ、メローネが調合した毒薬が思いのほか強くて事前に飲んでおいた解毒剤で中和し切れず痺れが残ったそうだ。もう本当ナニやってんだ。ごっめん俺毒薬の方が得意だからさあとテヘペロしていたメローネは、詫びだと言ってホルマジオの為に差し入れのローストビーフをタッパーに詰めてやっていた。
「メローネ!あなたもハリーと一緒になっていないで言ってちょうだい、そんな教科書に頼っていたらいけないって」
「どうしていけないんだい?何を選ぶかは個人の自由だぜ。その結果どうなろうとそいつは本人の責任さ。グレンジャーが今まで忠告していたのに聞き入れなかったってことはポッターにはその覚悟があるってことだろ?それを俺に止めることはできないぜ」
「ハリーは絶対そんなに深くは考えていないわ!」
ハーマイオニーちゃんの言い方は男らしいまでにきっぱりしていた。
「ハーマイオニー、そりゃハリーに失礼だぜ」
「君が僕のことをどう思っているのかよくわかるよ……」
泣くな青少年。
冬が終わってあーテスト勉強かったるいよーと思っていたらお友達のお友達が毒に中って死にかけた。危険な世の中になったもんだ。
ロン君のお見舞いを済ませて、三月のまだ少し冷える陽気の中を歩いていく。ルシウスさんへの手紙の返事を出しに行くのだ。
ルシウスさんから届く手紙の数は激減した。フクロウが闇の陣営に監視されているかもしれない今、迂闊な内容を空へ飛ばせば情報が筒抜けになってしまうかもしれない。ってことで私たちのよく解らないうちに始まりよく解らないまま続いていた文通は緩やかな終わりを迎えていた。恐らくこの私からのレスポンスで最後になるのではないだろうか。そういうふうに書いたし。
かなり隠語を交えて書いてあったが、ルシウスさんはダンブルドアからホークラックス探しを依頼されたらしい。シリウス・ブラックと共闘するなんて信じらんねえ人生クソだなと書いてあったので笑った。シリウスと一緒に探すことになったのか。考え方も出身寮も性格も正反対の彼らをなぜ組ませたのかダンブルドアを小一時間問い詰めたい。名前が似ていたからか?
そんな冗談は置いておくとして、お爺ちゃんがルシウスさんに接触したということは数か月前のお茶会で私が尋ね彼が気づいたように、ホークラックスの手がかりをルシウスさんに求めたのだろう。そしてルシウスさんは何かしらの情報を持っていた。だからルシウスさんが、いわば案内役としてシリウスと行動を共にすることになったと。うんうん。ルシウスさんはナニを知っていたのかな。ちょっとだけ興味がある。ヴォルデモッさんを除いた六個のうちどれを知っていたとしても十中八九危険に飛び込むことになるのだろうけど、出来るだけ問題なく終わるといいね。んなわきゃあないのは知ってる。希望を想ったっていいじゃない。
フクロウに手紙を預けて鳥が飛び去った青空を眺める。雨だと気持ち的に飛ばしづらいから今日が晴れで助かった。良い天気だなあ。