ダンスパーティーでつかまえて


着飾った青少年が手に手を取り合って踊る。くるりとターンした女の子のドレスは裾がふくらみ、上から見ればきっと会場に花が咲いたように見えるだろう。
髪をまとめ、薄桃色のフリルがたっぷりとあしらわれたドレスを着こなすハーマイオニーちゃんもこの会場の花に他ならず、ビクトール・クラムの武骨なエスコートに精いっぱいの誠意を返していた。
代表選手とそのパートナーがダンスを繰り広げる間、私たちはそれをのんびりと、もしくは次にやって来る自分たちの見せ場に胸を高鳴らせながら見物する。
私はカクテルグラスに入ったシャンメリーに舌鼓を打った。さすがホグワーツ、魔法でもかかっているのかというほどおいしい。ご馳走はまだ出ず、テーブルの上には彩り豊かな料理が並ぶのであろうスペースがきっちりと空けられている。私はそれが楽しみで仕方ない。
視線を戻せば、ちょうどギアッチョが大人しいステップを踏んでいるところだった。ビクトール・クラム、フラー・デラクール、ハリー・ポッターのビッグネームに埋もれないだけのオーラを放っている。そのオーラは色に例えるならピリピリとした薄い赤色で、目の前にいるパートナーを、手を取り腰を抱き寄せる少女を今すぐ床に沈めてこの場から立ち去りたいと雄弁に語っていた。
ギアッチョのパートナーを活力あふれる表情でこなす少女は、目元の特徴的なマスクをダンスパーティーに相応しいカラーに替え、瞳と同じ青、そして流れるような金髪に合せたレモンイエローの映えるドレスを、私から見れば誰よりも可愛らしく着こなしている。知ってるか、アレ、14,5歳の青少年なんだぜ。
この企みを知ったマクゴナガル先生は頭痛を堪えるように唇を引き結んでいた。しかしもうここまで来てパートナーを変えろと言うわけにはいかず、表向きには正体のわからない美少女、しかしその目元のマスクとギアッチョへの馴れ馴れしい態度によって名前がバレバレな少年は、ダンスパーティーの花に加わることになったわけだ。
「あのマスクは外すとメローネが暴走しちゃったりするの?」
拘束具なの?
「ただの趣味だろ」
「趣味だっつってたぜ」
「ヘンな趣味してるよな」
きっぱりと即答したのはイルーゾォで、彼もまた黒色にまとめたタキシードに似たドレスローブを着用している。初めて見た時は惚れ惚れしたものだ。似合っている。とても闇っぽくて似合っている。素直に褒めると、落ち着かねえけど着心地は悪くねえよと笑っていた。お前も似合ってんじゃんと久しぶりにツンのない賛美も賜った。これで今年の幸運を使い果たした気がする。
ソルベとジェラートは、ソルベの方が女役に決まったようだった。着せたいドレスローブを見つけてしまったんだそうだ。本当にカップルみたいだけどそれは男の姿の時でも通常運転。普段と変わりないように見えるのは私が彼らとあまりにも近しいからだろうか。うーん、でもちょっとソルジェラを知っている人なら予想がつきそうだ。見当たらないソルベ。一人でパートナーと並んでいるジェラート。パートナーイコールソルベと結びつけるのは簡単。チョコラテよりも甘い難易度だ。

「食べ物ばっかりじゃなくて、あんたも一度は踊りなさいよね。せっかく着飾ったんだから」
そう言ったのはパンジーだ。紫色と黒色の、パンジーの花のような色合いの少し丈の短いドレスをふわふわと着こなす彼女は、イルーゾォと一緒に隅っこでご飯をモグモグしていた私の手を引っ張った。
「実は私、踊れないんだよね。マクゴナガル先生に教わったのは良いんだけど、どうしても下手くそで」
「下手なのは知ってるわ。だけど……せっかくあたしが選んであげたでしょ。見せつけなくてどうするのよ」
ドレスのことを言っているのだ。
私が自分で選ぶドレスはどれも無難過ぎだと言って、パンジーは熱心にカタログをめくってくれていた。その結果発注されたのがこのドレスだ。
瞳の赤色と髪の濃い金色に合わせた色がグラデーションを作り、パッと見ただけでは大きめの胸が隠れるようになっている。別に出してもいいんだけど、14歳でこのデカさのおっぱいを目立たせていると下品になってしまう可能性があると指摘したらこんな感じになった。おっぱいだけでなく少し背も高めである私に合せて、裾の長さはアシンメトリー。左側から右側にかけてドレープを作りながら長くなっている。このドレープが綺麗で気に入ったんだよね。赤なんて差し色で入れておけば何とかなるやろと、差し色という素晴らしい視覚効果に頼り切ったドレスばかり探していた私にとってグラデーションとは目から鱗。パンジーには感謝するばかりだ。26歳としての目線の方が先立っちゃって、14歳の自分にドレスを着せるシチュエーションに適応しきれていなかった適応力の低い私を殴ってくれ。
「そ……そうよ、ポルポ。せ、せっかくすごく綺麗なんだもん。わたしは踊れないけど、ポルポは練習したんでしょう?踊らないと」
「ジニーちゃん……ありがとうね」
ホルマジオの隣でおどおどと緊張に頬を紅潮させていたジニーちゃんは、彼の磊落で大雑把なコミュ力のおかげで打ち解けることが出来たのか、今はもう勧められたカナッペを食べる余裕がある。そんなジニーちゃんにも褒められて、私は緩む頬を抑え切れない。たまにおしゃれをするとみんなに褒めてもらえるなあ。
どうしてジニーちゃんがここにいるのかといえば簡単な話だ。最近ジニーちゃんと話が出来ていないと残念がる私を見て、ホルマジオがそれならと適当に引っ掛けてくる女の対象を彼女に絞ったのである。四年次以下であっても、上級生の招待があれば下級生もパーティーに参加できる。同級生から向けられる羨望のまなざしに困惑していたジニーちゃんも女の子で、ハーマイオニーちゃんと一緒にドレスローブを選ぶ姿はとても可愛らしかった。
そんなジニーちゃんとパンジーに言われては退く訳にいかない。
私はイルーゾォの手をすくうように持ち上げた。
「私と一曲踊ってくれる?」
ホルマジオがげらげらと笑い、イルーゾォが呆れた顔をした。
「それは俺の台詞だろ」
イルーゾォは誘われる方が似合うわよ。
手を繋いで会場の中央へ進み出る。
レスティン家の落ちこぼれと魔法界の変人一家の末裔が踊ることに視線が集まり、私たちはスポットライトの下にでも立ったような心地になった。イルーゾォは自然な動きで私に礼を取った。
「ねえ、もしかしてあんた慣れてる?」
「"仕事"の為にパーティーに潜り込んでたのはプロシュートだけじゃあないからな。お前、知らなかったっけ?」
「知ってはいたけど、ここまでとは思ってなかった」
イルーゾォって不器用だから、足とか踏んでくるのかなってちょっとだけ期待していたのに、リードは丁寧でよどみがない。
「対象の足を踏んでちゃ近づけるもんも近づけねえだろ。リーダーに仕込まれたんだよ」
「そ、そそそそ、それ詳しく」
「どんだけ気になってんだよ!?」
動揺のあまり激しく心拍数が上昇した。サーモグラフィーで見たら胸の辺りが真っ赤になっていると思う。私はどこまでも暗殺チームのほのぼのエピソードを追い求めていく所存です真っ赤な誓い。
そのリーダーはどこでどんなにゃんこちゃんと戯れているのかな?
ふと気になって姿を捜すと、イルーゾォが小さい声で方向を教えてくれた。以心伝心だねと無駄口をたたくと雑な返事をされた。
言われた通りの方向を見る。そこには確かにリゾットを見つけたものの、動揺のあまり思わずイルーゾォの足を踏んでしまった。
リゾットはスネイプ先生に引きずられ、面倒そうに教員席から下りて来るところだった。腹抱えて笑うわ。下に来たら女子生徒がそわそわするもんね、でも誰か誘ってあげなよ、君レベルの人は壁の花に徹しきれないよ。
誰のことを誘うんだろう、と気にしながら踊っていると、イルーゾォはため息をついた。
「気になるならお前も行って来いよ。もう俺とは気が済んだだろ?」
「ええ?イルーゾォちゃんとならいつまででも踊っていたいよ」
「俺は疲れた」
「体力ないなあ」
「お前に言われたくねえよ」
私も体力はないけど、イルーゾォは男の子じゃーん。偏見を持ってるわけじゃあないにしても、戦いの出来る男の子が数分のダンスで根をあげるなんて絶対におかしい。もう面倒になったんだなこいつも。私のことは遊びだったのね。
ネエロ先生が教員席を離れたことで、女の子たちは自分のパートナーもそっちのけでいそいそと髪型を整え始めた。
突き刺さる嫉妬の視線をものともせず、自然体で背筋を伸ばすリゾットはスネイプ先生と会話をして、彼が渋々といったふうに頷くと、辺りを見回して探すようなそぶりもなく真っ直ぐに私に目をやった。なぜか悪いことをした気持ちになるのはついさっきまでリゾットがどんな可愛い子と踊るのかを楽しみにしていたことがバレたような気がしたからか。自覚が足りないってよく言われるけど、こればっかりは趣味だから仕方ないんだ、許せサスケ。じゃなかったリゾット。
ダンスの輪からイルーゾォに連れ出され、リゾットの目の前まで手を引っ張られる。視線は私にも集まり、なんとなくだけど、おうおうそんなに気になるなら私のデカくなってきたパイオツでも眺めてな、という開き直った気合が出て来たので私もきちんと背筋を伸ばした。そうだよねえ、私たち一応婚約者同士だもんねえ、こういう場では踊るよねえ。11歳差に慣れなくていまだにくっそ笑ってしまうけどそういうことを言うとまた怒られる。イルーゾォに。だって私が14,5歳でリゾットが25歳だぜ。面白すぎるだろ。
「ポルポ、俺と踊ってくれないか?」
リゾットは、注目を受けていることを利用するつもりだったのだろう。自分には私という相手がいるから誰のことも誘わないぞというポーズ。ただそれだけだと解ってはいるのに、そうする必要もないくせに、すっと私の手を持ち上げて口づけをしたものだから、不意打ちでやられてしまった。心臓をエロスに打ち抜かれた。やめてエロス私のことを狙って打つのはやめて。私はアーチェリーの的じゃない。顔が赤くなっていないかすごく心配だ。こんな、くそう、慣れない処女みたいな反応をしてしまうとは不覚。今の私は正しく処女なわけだが、一度卒業を体験した身としては、初心になることがいけないように思えるから不思議だ。うわあああんリゾットのフェロモンに中てられて死ぬー!
しかしそういった動揺を表に出さないこともギャングの幹部に与えられた使命だったので、私はごくりとつばを飲み込むだけで心を抑えた。緊張で口が渇くわこんにゃろう。
「"リゾット"、私は喜んで誘いを受けるわ。何ならかっさらってくれてもいいんだよ」
あえて、"先生"でも、丁寧な言葉でもなく。最後の方は小さい声で答えた。もういっそかっさらって私をスリザリン寮まで送ってくれ、布団の中でもだもだするから。


物凄く緊張した一幕を乗り越えて、グロッキー。だから私のメンタルに負担をかけるなといつも言っておろうが。
ヒールで歩くことには慣れているので、うートイレトイレと誤魔化して会場を抜け出した私は静かな城内をてくてくと歩いていた。やっぱりパーティーといえば、途中で抜け出して外を歩くっていう体験もしておかないと損だろう。
しんとした城内は冬の気温で冷えている。石壁だから余計に冷たく感じるのかな。肩を出したドレスはショールをかけていても冷える。さっさと暖かい会場に戻ればよかった。
遠回りしてしまったものは仕方がない。比較的早足でヒールの音を立てていると、月明かりにきらりと反射した眼鏡を見つけた。足を止めると、相手も私に気づいて優しげな笑みを浮かべる。
「おお、ミス。今夜は月が綺麗じゃと思わんか?」
「そうっすね」
粗雑に答えてしまったことは許してほしい。まさかこんなところでダンブルドアに出くわすとは思っていなかったのだ。
彼もトイレの帰り、なのかな?誰かを追って場を抜け出したというわけではなさそうだし、少し夜風に当たりたかったのかもしれない。
「君はネエロ先生のことが好きかね?」
話しかけられておいて、それじゃあまた会場で、と場を去るのもおかしいので、立ち止まったままダンブルドアに倣って月を見ていると、彼は急に話題を振って来た。お爺ちゃんもっと前振りして。あのさー、とか、ところでさー、とか、そういう前振りがあるでしょ。まあダンブルドアが急にそんな若い子のような話の振り方をしてきても怖いけど。
「好きですよ」
嘘を吐く必要もない。
「君のご両親は、ネエロ家やマルフォイ家のような純血の一族とは関わりたくないと思っていたようじゃが、君はどうかね?」
お爺ちゃんって昔の話とか、子供の"両親"の話をするのが好きだよね。ダンブルドアは特にそういうイメージがある。ハリーにご両親の話ばっかり持ちかけていたからかな。ハリーはそれが知りたかったのだからいいとして、私の生き方に、今は亡き両親は関係ないぞダンブリードール。
闇がどうたら、正義がどうたら、そんな話は私たちにはあまり関係がない。どこに所属していようと彼らの本質は変わらないし、きっと私もまた変わらないだろう。この雑念まみれの思考が闇に属したことで我が君わんわんお!に変わるのだとしたらそれってたぶん服従の呪文。ダメ絶対。
さてさて。
彼らもそうだと思うけれど、私は彼らがいるところならどこへでもついていくつもりだ。彼らが私の意思を尊重するというのなら、彼らに害が及ばない場所まで逃げる。ただそれだけ。不健康極まりないが、私たちってつまりはお互いがいれば問題ない部分があると思うんだ。今は完全にメローネを基準にした。反省はしていない。
「ネエロ家やマルフォイ家、つまり……闇の方向に関わりたくないのは私も両親と同じでしょうけど、正直にお答えするなら、私は先生たちのいる正義の方向にもあんまり関わりたくないんで」
どっちからも遠い方向にゴーアウェイ。
だって正義側ってすげえ同族意識高いから面倒くさそうなんだ。スリザリンもグリフィンドールも面倒くさい。だったら私はせっかくだからこのどっちにもつかず日本にトンズラする扉を選ぶぜ。
「なるほどのう……君たちは非常に……、狭い世界で生きておる」
ぶっちゃけすぎワロタ。もっと言葉に配慮しろよ。めちゃくちゃ笑っちゃうかと思ったじゃん。危ない危ない、校長先生の間で奇行を取るイコール興味を持たれて絡まれるっていう方程式は薄い本のお約束だからな。ていうか誰の前で奇行を取ってもそのルートに入る可能性があるけどダンブルドアは特にダメだ。この人に絡まれたら不死鳥一直線。
「窮屈ではないかね?君たちは若い。未来は大きく広がっていると、君は知っているじゃろう?」
「過大評価しすぎじゃないですかね。私は窮屈とは思わないし、彼らが窮屈かどうかは彼らに訊いてみないと私には何とも言えません」
ダンブルドアはふむ、と頷いた。この人も、良くは知らないけど狭い世界で生きていたから、自己の中で完結している私たちにナニか懸念を抱いているのかしらね。おじいさまの考えることは解りませんな。私も随分長い記憶を持っているけど、この人には年齢的に敵わないもんなあ。計り知ろうって言うのが間違ってる。
そういえば、と、彼のローブに隠された手を見て思い出した。この人って、指輪が原因で死ぬんだったか。嵌めてはいけない指輪を嵌めたくなるのは、どの世界でも変わらないということだな。ホビットがそれで苦しんだように、この人はそれが原因で死ぬ。うーん、いつのことだったかな。少なくとも、今のこの人はまだ健康そうに見える。
「ダンブルドア先生……」
「何かね?」
「…………」
何かを言おうとして、やっぱりやめてしまう。何を言いたいんだ私は。ていうかもう会場に戻りたい。寒い。
言葉にあぐねてうろうろと思考を彷徨わせた私は、ふとあることを思い出した。そういえばこの人って、聖人君子みたいに扱われていたけど、本当は自分の罪を糾弾して欲しがっていたんだっけ?つまり罵られたいと。特にハリーに罵られたかったと。例えばジェームズ・ポッターが透明マントをダンブルドアに貸していたことで、彼らが逃げ隠れられなかった可能性とかをね。
しかしここにハリー君はいない。彼が私に何を求めているのかを掴めないでいるうちに辞去は出来なさそうだし、さっさと終わらせてしまおうともう一度口を開く。
「先生は色々と深く考えすぎですよ」
「そう思うかの?」
「私から見ると」
ハリー君に罵られたいなら、罵ってくれと言えばいいのに。この人がやっていることをだいたい全部暴露したらハリー君だってものすごくびっくりして、そんなのダンブルドア先生じゃない、くらいの一言は漏らしてくれるんじゃないのか。大いなる指導者として立たねばならないと思うからダンハリフラグがいちいちへし折れる音がするのだ。ハリー君にだけ弱みを見せ、吐き出し、罵られて信頼関係を失い、また一から構築する、みたいな山場を乗り越えてからが本番だよダンブルドア先生。
邪悪な考えは見せず、私は部分的に伝えることにした。ハリー君ともっと深く話をすれば、きっとダンブルドアは何かを得る。彼にはその力があると思うよ。テキトーなことをぶっこいているわけじゃなくて、その辺りはちゃんとスゴイと思っている。
ダンブルドアは笑った。
「そうするには、わしは歳を取りすぎた」
大人になるって大変だね。
「そうかもしれん。君もいずれ……、……いや、もう解っているかもしれんのう」
過大評価だっていうのに、どうやら人の話は聞いていないらしい。そういう図太さを別の方面でも生かそう。
「おぉ、そうじゃった。寒い中君を呼び止めたのには理由があるんじゃ」
「私の立ち位置がどうとか言う話は本題じゃなかったんですか」
「うむ、すまんのう。ミス、君から見てミスターアトマはどう見える?彼の大切なものはいったいなんだと思うね?」
急にギアッチョの話になったから驚いたけど、ちょっとだけ悩んでから答える。もちろん『リンゴジュース』だなんて思ってないよ。過ったけど却下したよ。さすがにそれは胸が痛い。
「やっぱり、相棒のメローネじゃないですか?ギアッチョはメローネにぞんざいな対応をしますけど、心の底から信頼し合ってるんですよ」
答えながら、アレ、と笑顔が固まった。
もしかしてこれ、第二の試練の内容を決めるアンケートのつもりだったのか。こんな直接的に聞いちゃっていいのか。もっと大人の話術を、こう、展開させてこっそり訊ねるものじゃないのか。確かにあまりに唐突過ぎてうっかり普通に答えちゃったけど、こんなの絶対おかしいよ。
狼狽えつつも言い切ると、ダンブルドアは満足そうに二回頷いた。
「なるほど、君が言うならそうなのじゃろうな」
胸の中で十字を切った。メローネ、ごめん。とらわれのおひめさまは君だ。