ポルポ♀と暗殺チームがハンター世界に転生したら


この世界をめちゃくちゃ満喫しているのは誰かと訊ねれば、全員が手を挙げるだろう。リゾットは面倒がって挙げないかもしれないけど、イルーゾォですら、心なしかわくわくしている。知らない文化に触れるのは、誰であれ楽しみをおぼえるものなのだなあとしみじみ思う。
私も面白がって日々を過ごす。慣れない文字に苦戦したのはイタリアンな記憶とジャパンがあるからで、呑み込んでしまえばするする理解できる。母国語がまた一つ増えてしまった。
天空闘技場でお金を荒稼ぎするスタンド使いは、その能力が精神のビジョンによるものだと覚らせないまま力をふるう。そもそも存在しない特殊な力の存在を疑う者がどこにいようか。もちろん誰も疑問には思わず、彼らの特殊技能は『念能力』として片付けられていた。便利な言葉だこと。
スタンドが何やかんやあっていなくなってしまった私は、念能力者に囲まれる一般人として洗濯物を干したり畳んだり料理をしたり本を読んだり、だらだら気ままに過ごしている。やっていることが自営業の時と全く変わらない。ファンタジックなゲームや生き物が跋扈するぶん、こっちの世界の方が目新しくて刺激的でもある。何せここは、ファンタジーアクション少年漫画の世界であるからして。

どうにもワーカホリックが集まっているみたいで、暗殺チームだった彼らはこの世界に転生し、ある程度成長すると身体を鍛え始めた。習慣は恐ろしい。もはや、自分の身体を自由に操れない日常は彼らにとっての『普通』ではないらしい。順調におっぱいを成長させる私の傍ら、九人はめきめき強くなっていった。世界の補正がかかっているのかもしれない。なんか、あるじゃん。地球よりもグラビティが軽い的なファンタジー補正が。ありそう。そうじゃなかったら、最も軽量と思われるイルーゾォであっても、ホルマジオの背中にどっかり座り込めば、剃り込みの男はつぶれてしまったはずだ。えええ、ナニ、前の世界からそんなことができていたの。んなわきゃあない。もしかしてリゾットの背中に私が座っても大丈夫なのかな、と好奇心でドキドキしてしばらく見つめてしまった。まだ挑戦はしていない。
挑戦はしていないのだけど、少なくとも俵担ぎですたこらさっさと運ばれることはできるんだなと理解したのは、とある試験に参加した時だった。
第287期の試験と聞き、ぴんとくる人間は私たちの中には居なかった。そりゃあ、原作を読んだ私は細部などすっかり忘れていたし、彼らはたぶん本を手に取ったこともない。仮にあったとしても、最後に読んでから二十年以上経っていれば忘れるに決まっている。おぼえていられるのはホルマジオくらいだろう。まったくよくわからないやつだ。
仕事を開業するにあたり、ライセンスはあった方が良いだろう。原作を憶えていなくても、生活していればわかってくる。ハンターライセンスは最悪売っぱらってしまえばいいお金の木だ。獲得できるなら、しておいて損はない。まあ、頑張って取ってもらった大切なものを売るつもりはないんですけど。
「言い出しっぺの私が参加しないのは申し訳ないんだけど、誰か取りに行ってくれるつもりはない?」
両手を合わせてお願いする。ハンターライセンスがあるのとないのとじゃあ、仕事の幅に違いが出る。
どこで開催されるのかはまだ知らんが、ここは私の人脈かっこ笑いかっことじとスーパーハッカーテクニックかっこ笑いかっことじを駆使して頑張るよ。それくらいならやるよ。ひきこもって異文化に手を出しまくった黒歴史をフル活用だよ。
顔を見合わせてから、イルーゾォが雑に指さす。
「ここはやっぱりリーダーだろ」
「そうだな、リゾットだな」
頷いたのはプロシュートだ。完全にやる気がない。静観の構えで、口寂しさを誤魔化す為にコーヒーを飲んでいる。煙草を吸えばいいのに、ペッシの肺に配慮をしているのかな。
テキトーなことを考えてからリゾットを見る。リゾットは特に異論もなく引き受けてくれた。やっぱりこの人優しすぎないか。そんなんで大丈夫か。私が言うのも何ですけど。チームのみんなからの要求にはだいたい応えているリゾットパイセンカッケーッス。
ホルマジオは「俺も行くぜ」と名乗り出た。テーブルに肘をついて、よくわからないが格好良く見える角度を保って雑誌を読んでいる。このごつい男にきゅんときてしまった自分が悔しい。さすがはホルマジオさんやで。思わずお馴染みのゲンドウポーズをとった。
「……俺も行く」
「珍しいじゃん、ギアッチョ。新車でも買って機嫌がイイのかい?」
「ちげーよ。天空闘技場に飽きたんだよ」
「それには同意するけど、ハンター試験って参加者がたーっくさんいるんだろ。あんたが集団に耐えられるかが問題だよなあ」
ちょっと同意した。あと、じゃあ俺も俺もと手を挙げようとしたソルベとジェラートはこちらから止めた。この二人なら確実に獲るだろうけど、野に放ってはいけない気がする。正直に言うとゲラゲラ笑っていたので、気は悪くしていないと思いたい。ごめんね、本当に。
私は繊細なので―――ここは笑うところではないんだけど―――無理を言っている自覚があるし、さすがに申し訳ない。どうにか穏便に合格してもらえるよう根回しをしたいところだけど、今の私には特別な力は何もない。諜報系のスタンド能力が新たに目覚めていたらいいのにね。千年に一度どころか十年に一度の逸材でもない私は、念の修行も早々に投げ出している。うっ、申し訳なさで埋まりそう。人を使うって嫌な気分だ。
あああ、と内心でスコールを吹き荒れさせている私を見かねたか、プロシュートはとうとう煙草に手を付けながら言った。
「テメーも行けばいいだろ」
えっ、いや、無理だろJK。
急にボールが来たので、ボールをゴールにシューッすることもできず狼狽えた。狼狽えるな小僧。そんなこと言ったって無理です。
並ぶ面子は何やら頷いているし、逃げる隙はなかった。
「ど、いや、え?どういうこと?」
「ヤバかったら棄権しとけよ。やれるところまでやって、手に入れられたら御の字だ」
そんな会話を経て、私はハンター試験に参加することになった。なってしまった、と言うべきか。

舌なめずりをして活き活きと情報を検索するメローネに対し、絶望の表情を見せながらどこまでも悪堕ちしていく私。ソウルジェムが濁りまくっている。
こちらの陰鬱な気配とは裏腹に天気は良く、港町は明るく楽しげな雰囲気に包まれている。ザバン市のごはん屋さんでステーキ定食を頼む男三人と女一人。ははは、言うなれば私は必殺仕事人サークルの姫だ。しっかり私の四方を固めて守ってくれ。あっ、四方を固めるには一人足りない。妖怪いちたりないが出たぞ逃げろ。
番号プレートを貰ったが、特に印象に残らない番号だった。敢えて表現すると、私とホルマジオは偶数で、リゾットとギアッチョは奇数だった。どうでもいいですね。
早速の試練で長距離マラソンを強いられた私たち。もちろん私は校庭四周がせいぜいなので、誰かに頼るしかない。もうこの時点で棄権したかったんだけど、さすがにそれじゃあ来た意味がない。
ぞろぞろ足音を立てて進み始める群衆に紛れ、リゾットに担がれた私は、ひどく素っ頓狂な形でこの試験に挑戦した。
「あの、担ぐんじゃなくておんぶとかじゃダメだったの」
「走りづらい」
「そうですか……」
お荷物を抱えているっつう点ではどっちもどっちなのでは。
途中でスケボーを持った少年が「ほら見ろよ、乗り物オッケーじゃん!」とこちらを指さしていたが、あえて見なかったことにした。何か既視感があったのでね。『キ』まで名前が浮かんでしまって、目を閉じて振り払う。287期。いやいや、まさかね。

嫌な予感ほど当たるものだ。まったく気づいていなかったが、どうやら地下の待合室では44番が参加者の腕だか足だかをチョンパして大変なことになっていたらしい。試験官に化けた珍獣が殺害されてようやく気づいたんですがね。
湿原に足を取られるのが嫌で嫌で仕方のないギアッチョは、スタンドのスーツを着込んでばきばきと足元を凍らせながら進んでいる。
「オメー、どこ見てたんだ?」
「ホルマジオの格好良さに目が行ってしまって……」
「むず痒いこと言ってんじゃねェよ」
「むず痒いのかよ」
満更でもないんじゃん。
漫才をぶっこいて笑いながら歩いている私たちを、たったか走って追いかけてくる影に気づく。緩慢に振り返ったリゾットの目が小男に向けられた。
「さっき話しかけ損ねたんだよ、急いでる所を悪いな。あんたたちは初めての参加だろ?先輩として手助けできることがあるんじゃねえかと思ってさ」
「トンパとか言ったか?」
名前を当てたのはホルマジオだ。私は、試験官を見失っているけど大丈夫なのかなあ、とノンキな心配をしていて気がそぞろ。
「あ、あぁ……そうさ。話したおぼえはないけど、憶えていてくれたのか?」
「まあ、新人にジュースを渡してる慈善家がいたら憶えるだろ」
この辺りで、私もだんだん思い出して来た。ついさっきビビッと感じた『キ』から始まる名前のインスピレーションは間違えてはいなかったのだ。『キ』から始まる名前の少年が参加していて、長い階段や湿原が出てくるハンター試験なんて一つしかないのでは。
そうすると、この男も登場人物なのかな。ええっと、トンパさんか。何をした人だったかな。いや、ほら、なにせ二十年前の記憶ですからね。自分に言い訳をするのは切ない。
鬱蒼とした木々の幹を避け、トンパさんのペースに合わせて歩く。いざとなれば私は再び米俵に早変わりだ。試験官はとっくに行ってしまったけど、本当に大丈夫なのかなあ。
私の心配はトンパさんが代弁してくれた。缶ジュースを渡してくれて、ついでに怪訝そうな顔もする。ところであんたら、悠長にしてて大丈夫なのか?
「ナントカなるだろ」
「どうにでもできるから放っとけ」
「こう言ってるから大丈夫」
二人が言うなら問題ない。具体的に何をどうするのかはよくわからないけど。追跡専門のスタンド使いはここにはいないぞ。みんなの射程は短いし、本当にいったい何を仕掛けているのか。メローネがどこかから仕入れて来た発信器でも使っているのかな、知らんけど。
納得したかしないのか、トンパさんは苦笑した。善良そうな苦笑だった。
「そっちの旦那はひと言も喋らねえな」
腹を抱えて笑うかと思った。

お寿司は好きだけど作れないなあとしょんぼりしたが、私の灰色の脳細胞によるとこの後の試験は到底私にはクリアできないものだった気がする。ここは細かく指定される前に手巻き寿司をつくって誤魔化してしまおう、と奇跡の閃きを見せる。ご飯を冷ます係りは、ギアッチョにお願いすれば効率が良いのかもしれないけど、用意されていた団扇をどうしてもリゾットに使って欲しかったので欲望に身を委ねた。ディ・モールト可愛かったので、これを見られただけでも俵担ぎの苦しみと湿原の鬱陶しさに耐えた価値があったというものだ。もう棄権してもいいかな、とすら思った。
やっぱり自力でクリアはできなさそうな課題が続いたので、一足先に屁理屈で合格をもぎ取った私たちは、おやつ代わりに手巻き寿司をモグモグ。海苔が用意されていて本当に助かった。ぶっちゃけてしまうと、私がやったことって味の調節だけだ。力技は全部彼らに任せてしまった。つまりこの戦いも、リゾットホルマジオギアッチョという理性三人組のお手柄なのである。おっと、ギアッチョを理性組に数えていいのかは微妙だったかな。

思い出話に花を咲かせつつ、時間待ちをする。
「……すまん」
リゾットが珍しく床の隠しスイッチを踏んだ。そのひと言と共にビープ音が鳴り、私たちの立つ一室はエレベータのごとく、階下へゆっくり下りて行った。結果として、まったく謝る必要はなかったわけだ。
ワイヤーが切れたら怖いので大人しくし、待ち時間のタイマーがゼロになるまで同行者と話をする。お互いの事情をある程度交換し合うと、律義な武道家は何度も頷いた。長い白髪を後ろで束ね、渋い声をちょっぴりやわらげて話す。
「そうか、仲間の為にライセンスを……。やはり力のある者は、できる限り生き易く過ごした方がいい。それが鍛錬の報いでもある」
この男性はボドロさんだ。以前にもハンター試験を受けたが、落ちてしまったので再び挑戦したと語った。よほどの事情があるのか、力試しがしたいのか、ただ単にきっちりしているだけなのか、詳しい内容は訊かなかったし私たちも喋らなかったけど、何にしても真面目で良い人だなと感銘を受けた。
「ところで、ポルポさんと言ったか」
「はい?」
「見たところ特殊な鍛え方はしていないように思えるのだが、いったいどんな術を体得しているのか、少し聞かせてはもらえないだろうか。もちろん、踏み込むつもりはない。秘伝であるのが当然だ。ただ……あまりにも他の参加者と類を異なる様子なので気になった」
オフィスカジュアルですからね。特技はネットサーフィンと単純計算と街の治安維持です。もちろん言わなかった。
笑いを必死にこらえているホルマジオとギアッチョを小突く。わかってるよ、戦えないのは自分が一番よくわかってるよ。ひでんましんが欲しいです。
どう答えれば丸く収まるのか困ってしまったので、私は控えめに微笑んでギアッチョを巻き込んだ。
「ギアッチョちゃんがね。私がいないと元気が出ないって言うんで、くっついてきたんですよ」
「言ってねええええ!!ありもしねーことを捏造すんじゃねえ!むしろオメーがいると力が出ねえよ!」
「出ないの!?」
「出ねえ!うるせえしだらだら話をぶっこいていやがるし、どうやったらやる気が出るっつーんだ!?ペッシのいねえプロシュートの方がまだマシだぜ」
「ペッシのいないプロシュートは女王様だもんねえ」
リゾットにムチャブリをしたり、ホルマジオを顎で使ったり、元気のよいジャイアンだ。ちなみに歌はうまい。

一つ試験をすっ飛ばす。プレート獲得には私も一役買ったのだが、そこのところはまあ、kwskしなくても平気だろう。穏便に話で解決しただけだ。
三行で言うと、どうやら私のターゲットであった受験者は、本当はライセンスなど必要なかったらしい。ただ暇つぶしに参加しただけでここまでやって来てしまったものの、特別な理由もなく棄権するのはもったいない。するとそこに突然のおっぱい。おっぱい党だった彼は「プレートが欲しいんですけど」と背後に沸点の低い氷おにいさんを配置しつつ憐れっぽい懇願をした私に、じゃあ胸揉ませて、と要求をした。もちろんその程度でクリアできるなら、胸の一つや二つや三つや四つ、余裕で揉ませてあげるとも。連絡先を交換し、揉みたくなったら声をかけてもいいかなと言われたので金を払えよと言って爽やかにお別れをした。さようならおっぱいおじさん。

何ということか、リゾットとギアッチョ、そしてホルマジオと私が対戦でぶつかってしまった。誰と一番戦いたくないかと問われた時に安パイでホルマジオを選んだのが良くなかったらしい。でも逆に幸運だったね。ヒソカとか主人公格の人とか、それから名前も憶えていない―――っていうかマジでこの人原作に登場していたかな?みたいなオッサンと当たるよりはずっと楽だ。マジオくんは即行で負けを宣言した。
「おいおい、真面目に戦えよ!お前ら知り合い同士だからって手加減してるんじゃあねえだろうな!?」
ヤジが飛んだ。痛くも痒くもなさ過ぎて申し訳ないくらいだ。まあ落ち着きたまえよ名も知らぬオッサン。七代遊んで暮らせるほどの金を手に入れられるハンターライセンスが懸かってるんだぞ、なりふり構ってなんかいられないだろ。卑劣な考えだったので、やっぱり口には出さず曖昧に微笑んだ。これで私は安泰だ。
あちらもリゾットが早々に敗北を選択。ギアッチョと私は合格が確定し、あとはゴン・フリークスが腕をボキッとやられたり、実はギタラ、ええっと、ナントカって人がアジエンスもびっくりキューティクルを誇るイルミ・ゾルディックだったり、様々な出来事があった。まあこれはそういえばそうだったなと思い出しかけていたんだけどさ。うっかり本気で忘れていて、一度は共闘した仲であるボドロさんの死は防げなかった。
「えええ!?」
思わず声に出して身を乗り出したが、時すでに遅し。常人の目には見えない速さで心臓を一突きされ、武道家は絶命した。マジかよ。この試験で一番衝撃を受けた。
「何、君の知り合い?」
あわただしく反応した私を軽く見て、イルミ・ゾルディックが興味なさげに首を傾げる。知り合いだよ。こくこくと首肯する。ただの知り合いレベルだけど、考えてみれば、知り合いだったペリーコロちゃんが"これから死ぬのだ"と思い出した時もこんな感じでやるせなさをおぼえた。やっぱり急にボールが来るとびっくりする。
美青年は、某ザ・ワールドが得意な魔法少女ばりに髪の毛をふぁさりとかき上げる。毛先が背中につくより先に口を開き、残念だったね、とリゾット以上に無感動な口調で言った。
「まさか立ち向かって来ないよね?」
「ど、どうする?」
まさかの言葉に動揺して三人を振り返る。全員、三者三様のやり方で否定した。
「しない方がいい」
「面倒なことはしねー」
「面倒だよなァ。ライセンス取り消されても困っちまうしよォ」
「で、ですよねー……」
戦いの場から取り残されたスーツの青年が私たちの言い分を批難したが、結局何も手は出さず。面白そうに唇を歪めたへんてこな奇術師は目に入らなかったことにして、私たちはごく一部、平穏無事にハンターライセンスを手に入れた。

事のあらましを説明し終わると、ソルベとジェラートは膝を叩いて悔しがった。
「やっぱり俺たちも無理言ってでも行けばよかったぜ!勿体ねえ!天下のゾルディックを見損ねた!」
「ついでに写真撮って売ればよかったよな!?」
「高値がついたぜ、絶対に」
その発想はなかった。暗殺チームのSさんとGさんはスゴイ。
何の変哲もないカードが四枚、テーブルの上に並ぶ。メローネが無造作に手に取って強度を確かめた。手の中で弄ぶ。綺麗な青年が無邪気に一つの物で遊んでいる様子は目の保養になりますね。
「でも、どうするんだ?プロハンターとして認められる為には、念能力が必要なんだろ」
「ああ」
「それな」
「ヤバいよな。オーラ。ヤバいよな。マジに笑えるぜ。俺ら精孔すら開いてねえっつーか、修行のかけらもしてねえよ」
「存在も感じねえ」
ソルベとジェラートが大爆笑。椅子の上で笑いに狂い悶えている。
ブラック・サバスは消えてしまったので、私にはくっついて来なかったけれど、彼らのスタンドはつよくてニューゲーム。転生した時からずっと一緒だったらしい。おかげで念能力とは程遠い強さを誇っていて、少し羨ましい気もする。私も見えないお友達が欲しいぞ。
「問題はお前の方じゃないか?」
「あー、うん……」
私って戦闘能力/Zeroだしね。ライセンスを持っているとバレちまったらうっかり強盗されかねない。いつも誰かと一緒に居られるわけではないので、気をつける必要があるよね。一応は持ち運ぶべきものだし。身を守る手段が必要な時期なのかもしれないねえ。
のんびり言って、テーブルに突っ伏す。気長に考えなよとメローネが言った。
「最悪、手に余ったら売り飛ばせばいいし」
「それは……」
何というか、手助けをしてくれた三人に申し訳ないだろ。

さて。
私が仕事の兼ね合いの伺いを立てる為にゾルディックを訪ね、主人公組とかち合ってしまったり、リゾットたちがスタンド能力を不審に思ったハンター協会から呼び出しを食らったり、そのせいで幻影旅団なるビジュアル系グループに目をつけられてしまったり、さまざまなことがあるのだけど、それはまた今度の話ということにしよう。